根強いユーザーがいるスマホ「Black Berry」は2020年8月に販売が終了しました。ところがその8月も終わり近くに、驚くべきニュースがアナウンスされました。Black Berryは2021年、5G対応で復活するのです。
Black Berryとはどのようなスマホ?
まずはBlack Berryとはどのような携帯端末なのかを説明します。
Black BerryはQWERTYキーボードを持つ携帯端末
Black Berryが誕生したのは2002年、RIM社(リサーチ・イン・モーション社)から発売されました。
アップル社がiPhoneを発売した2007年よりも前なので、これはスマホではありません。音声通話機能とウェブサイトの閲覧、メールの送受信などができる情報端末です。
iPhoneが発売されて以降、Black Berryもスマホとして進化を続けましたが、物理キーボードが搭載されていることに変化はありませんでした。バラク・オバマ氏も愛用していたことからBlack Berryは根強い人気を得ていました。
スマホ化したBlack Berryと衰退の理由
スマホが登場した当初はまだ、ガラケー人気も根強いものでした。そしてキーボード付きのBlack Berryはタッチタイプにも対応するという、いわばガラケーとスマホを合体させたような存在だったわけです。
しかしBlack Berryは独自のOSを搭載し、iOSにもAndroidにも属さない存在として独自路線を貫きました。その結果、iPhoneとAndroidのシェア拡大に押される形となり、2015年からはAndroidをOSとする端末に移行します。
それでもBlack Berryユーザーは減少を続け、ついに2016年にその開発と製造が終了しました。
物理キーボードがBlack Berryの特徴でしたが、Android端末となってからはキーボードがないもの、スライド式キーボードを備えたものなどさまざまなBlack Berryが登場します。
そのように迷走するなか、Black Berry社(RIMは2013年に社名をBlackBerryに変更)は中国企業のTCLとライセンス契約を結び、2016年には自社による販売を終了したのです。
TCLによるBlack Berryの復活と再度の終了
2016年にスマホ市場から姿を消したBlack Berryですが、中国メーカーのTCLが「Black Berryブランド」のスマホ端末を製造・販売しました。しかしそれは単に「Black Berry」の名を使っただけの、単なるAndroid端末でした。
そして2020年8月、ライセンス契約が終了してTCLはBlack Berryの製造・販売を終えました。
再度Black Berryを復活させるのは無名の企業
再度の復活がアナウンスされたBlack Berry、その内容について説明します。
復活版「Black Berry」スマホはキーボード搭載
2020年8月、TCLがBlack Berryの製造と販売を終了したのと入れ替わるように、あらたな復活のニュースが流れました。米セキュリティスタートアップのOnwardMobilityという無名の会社が、2021年前半に「物理キーボードを備えた」Black Berryを5G対応で発売するという内容です。
これはBlackBerry社との提携によるもので、市場エリアは北米と欧州になります。
5G対応のBlack Berryはビジネスユーザー向け?
2020年10月時点でその詳しい内容は明らかにはなっていませんが、キーボード付きのBlack Berry復活を望むユーザーにとっては嬉しいニュースと言えるでしょう。ただしターゲットはビジネスユーザーとなるようです。
というのも、Black Berryのコンセプトを「モバイルセキュリティの前進」としているからです。キーワードとなるのはテレワークやサイバーセキュリティなどで、コモディティ化が進むスマホ市場にあらたなターゲット層を生み出す存在になるかもしれません。
まとめ
2021年に復活する「Black Berry」スマホの詳細については、まだ明らかになっていません。それでも、物理キーボードを搭載するとあって、従来のBlack Berryユーザーにとっては嬉しいニュースと言えるでしょう。