これからは電子チップより光チップの時代?人口知能がさらに進化する可能性も
DVDやブルーレイなど光データストレージで使われるフォトニック技術を利用した、あらたなプロセッサが開発されようとしています。このような光ベースのプロセッサは現在の電子チップよりもはるかに高速であるため、人間の脳をシミュレートするニューラルネットワークに役立つと考えられています。
ミュンスター大学(ドイツ:正式名称はヴェストファーレン・ヴィルヘルム大学)の研究者と国際的研究者チームは、この光ベースのプロセッサを使って人工知能が要求する高い計算能力に対処できることを示しました。
ニューラルネットワークの発展形であるディープラーニングを高速化することで、人工知能はさらに進化することが考えられます。これはより正確なデータ解析につながり、医療診断などで活用することが期待されます。
石炭にあらたな用途が?電子レンジで石炭粉末がグラファイトに
ワイオミング大学(米国ワイオミング州国立大学)の研究者が、電子レンジを使って石炭粉末をナノグラファイトに変換することに成功しました。CO2削減のため石炭火力発電の開発が控えられるなか、発電用石炭の代替用途につながると考えられます。
実験によると、電子レンジに入れた石炭粉末と銅箔が入ったガラスバイアル内で火花が発生し、それが石炭粉末を多結晶グラファイトに変換するために必要な高温生成につながっています。
この変換方法を大規模にすることで、高品質かつ大量のナノグラファイト素材が製造できるとされています。グラファイトは鉛筆の芯などに使われますが、ヒーターや自動車のブレーキパッドなどにも使われています。
将来は窓が発電する?透明な太陽電池が生成可能に
仁川国立大学(韓国)のJoondong Kim教授が率いる研究チームが、完全に透明な太陽電池を生成しました。この技術は建物の窓はもちろんのこと、スマートフォンの画面にも使われることが期待されます。
透明な太陽電池に関してはすでに、NTTアドバンステクノロジや東芝、米国ミシガン大学電子材料工学部などが開発に成功しています。これからはマンションの各住戸でも、窓ガラスによる太陽光発電の恩恵を受けられるようになるかもしれません。
ゲームのアルゴリズムが建物を快適に!あらたなスマートサーモスタットとは?
建物内の空調を最適なものにするスマートサーモスタット。暖房や換気、空調を自動制御するこのシステムでは、膨大なデータを処理するため従来はその計算に時間がかかっていました。
しかし、バックギャモンの戦略解析やポケモンGOなどで使用されている強化学習のアルゴリズムを利用することで、従来は数カ月を要したデータ取得と解析をわずか1週間で学習できるようになります。
このアルゴリズムはほかに、自動運転や輸送などの制御問題解決にもつながることが期待されます。