何かとAI(人工知能)という言葉を目にしますね。その名のとおり、人間のように判断するコンピュータなんだろうということは想像がつきます。でも、実際のところどんなものか、AIで何ができるのかいまひとつピンとこないという方も少なくないでしょう。
そこでこの記事では、「AI」とはどんなものなのかを、分かりやすく解説していきます。
AIにできること
まず、AIを利用して何ができるのかを説明していきます。
画像認識
車を自動走行させるためにも役立ちますが、AIは画像認識をしてそれが「何か」を判断します。物体なのか人間なのか、さらに指定した顔と同じものかを認識します。これはスマホの顔認証に役立っています。
医療の分野では、CT画像などからガン細胞を見つけ出すといったことに活用されています。
音声処理と言語処理
AIは人間が発した言葉をテキストに変換できます。さらにその内容を理解し、質問に答えたり会話をしたりできます。スマホやスマートスピーカーを通して指示することが可能となっています。
あるいはチャットボットに活用し、問い合わせへの対応にも活用されています。またコールセンターでのサポートとして、顧客との会話から回答を予測しオペレーターに提示するといったことにも役立てられています。
AIとは人間のような知的行動ができるプログラムのこと
AI(人工知能)は「Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)」の略語です。簡単に言えば、「人間が行う知的行動をコンピュータに行わせる技術」となります。
AIは自己学習するプログラム
AIもコンピュータのプログラムの1つです。ただし通常のプログラムと異なるのは、「自己学習をする」ということです。
通常のプログラムは、決められたルールどおりに動作し、何かしらの結果を出します。しかしAIは、そのルールそのものを自分で作り出すプログラムです。問題を解決するためのデータを取り込み、それを自分で分析して答えを出します。
例えば、ヒトは目や耳から入った情報を電気信号にして脳に送ります。そして脳で、見たものや聞いたものが何かを判断します。その判断能力は、生まれてから経験することを通して養います。
AIも同じように、取り込んだデータをどのように分析すればどんな答えになるのかを学習し、判断能力を高めていきます。
AIには2つの種類がある
AIとひと口に言っても、実はその定義はあいまいです。そこでAIができることに応じて2種類に分けられています。
特化型AI
今のところ開発されているAIはすべて、この特化型AIです。特定の役割が決まっていて、その処理のために動作するAIです。こちらは別名、「弱いAI」とも呼ばれます。
たとえば車の自動運転にも活用される画像認識や翻訳に活用される自然言語処理などがあります。
汎用型AI
汎用型とは、あらゆることができることを意味します。目的を特定せずに自ら考えることができるAIです。別名、「強いAI」とも呼ばれます。まさに人間のように「自律的に」動作するプログラムですが、今のところは実現していません。
人工知能の世界的権威であるレイ・カーツワイル氏は、2045年には汎用型AIが人間の能力を超える「シンギュラリティー(特異点)」が起こると予測しています。もちろんこれに懐疑的な人も多く、意見は分かれています。
AIの学習に欠かせない2つの技術
AIが学習するために用いられる技術は2つあります。『機械学習』と『ディープラーニング』です。
「機械学習」はAIが取り込んだデータをもとに、一定のパターンなりルールを導き出す技術です。そしてこの機械学習は次の3種類に分類されます。
教師あり学習
与えたデータが何を意味するのかを最初に教える学習方法です。
教師なし学習
後で答え合わせをする学習方法です。
強化学習
目標とするスコアを高めるように自分で学習する方法です。
そして、「教師なし学習」をさらに強化したのが「ディープラーニング」です。人間の脳と同じように、解析する「ネットワーク層」というものを何層も重ねることで処理能力を高めています。
そもそもAIの開発に目的は無かった?
AI(人工知能)が誕生した理由は極めて簡単なものでした。1950年にイギリスの数学者アラン・チューリングがその著書で、「機械は考えることができるか」と問うたことがきっかけです。
つまりその用途ではなく、可能か否かを確かめる研究が行われたことで、AIが開発されたのです。
まとめ
AIはまだまだ進化を続けています。そして日常生活のあらゆる場面で活用されています。このまま進化を続ければいずれ、人間と会話し考えるAIも誕生するかもしれません。