米国発の音声SNS"クラブハウス(Clubhouse)"が日本でのサービス開始以降、注目を集めています。
米国でのサービス開始は2020年4月ですが、2021年2月には世界中のユーザー数が600万人を超えています。日本でも有名人や著名人の参入に牽引されるように、ユーザー数が増えています。
クラブハウスのサービス内容
クラブハウス(Clubhouse)はアメリカでサービスが開始された音声SNSアプリです。その大きな特徴は、「登録は招待制である」ことと、「アーカイブは残せない」ことです。そのほか、次のような特徴があります。
- 音声配信をする
- 実名の使用が義務付けられている
- ユーザーは18歳以上とする
- 電話帳に同期される
- アプリのバックグラウンド再生ができる
- iOS13.0以降の端末のみ対応のアプリ
2021年2月時点で、Android用のアプリはまだ開発されていません。またパソコンでのブラウザでも利用できず、iOS専用のアプリを使うことでサービスを利用できます。
「ながら聴きができる」利点
クラブハウスはBluetoothで音を飛ばせば、ながら聴きができます。映像はなく、音声のみというのがポイントです。これがリモートワークとの親和性につながり、日本でも普及した理由と考えられます。
クラブハウスの使い方はさまざまで、開かれたルーム(room)ではスピーカーとして指定された人が話をします。これをセミナーとして利用するも、飲み会がわりに利用するも自由です。そしてもっぱら部屋での会話を聴き続ける人もいます。
クラブハウスの問題点
サービスが始まったばかりのクラブハウスには、まだまだ課題とすべき問題点があります。利用するうえでは、そのメリットとともに問題点についても理解しておきましょう。
クラブハウスで問題とされているものとして、次のようなものがあります。
アカウント削除が難しい
簡単に登録できないクラブハウスは、アカウントの削減も難しい点を指摘されています。アプリからすぐにアカウントを削除することはできません。
手順としては、メールを送る方法と公式サイトの申請フォームを利用する方法があります。ただしクラブハウスは日本語に対応していないので、英語でのやり取りが必要です。
セキュリティに難あり
クラブハウスのセキュリティに関してはすでに指摘されています。
まずドイツのデータ保護当局が、「運営会社がルーム内のすべての会話を録音・保存している」と指摘しています。また米スタンフォード大学の調査では、アプリのデータの一部に中国企業がアクセスできる可能性があるとしています。
年齢確認の仕組みがない
クラブハウスのコミュニティガイドラインには、「ユーザーは18歳以上」とあります。しかし登録時に年齢や生年月日は問われていません。つまり、年齢確認はしていないということです。
SNSを利用した18歳未満に対する犯罪が問題視されていることを考えると、クラブハウスは同じような問題が発生する可能性があります。しかも音声が記録されないため、証跡確認ができません。
これらの条件により、あらたな犯罪につながる可能性は否定できないでしょう。
クラブハウスの魅力
招待制SNSのクラブハウスが人気の理由はいくつかあります。まずひとつは招待制であることが挙げられます。しかもひとりが持つ招待枠は2つしかないため、その希少性が人気の理由と考えられます。
そしてもうひとつ、クラブハウスは「ライブ配信のみ」としてアーカイブが残らないことも、人気の理由と言えます。リアルタイムにその場に立ち会わなければ、話を聴くことができないのです。この点においてもまた、"希少性"というキーワードが出てきます。
クラブハウスは有名人や著名人の検索をしてフォローすれば、ルームができた時に参加することができます。自分が関心を持つ著名人の話を直接聴くことができること、場合によっては話をすることも可能であることも、クラブハウスの大きな魅力と言えるでしょう。
クラブハウスに関心を持つのは年収1000万円以上の人が多い?
デジタルマーケティングサービスのAmobee Japanが、クラブハウスのアメリカ市場のトレンドを分析しました。それによると、クラブハウスに関心を持つのは35~44歳の年収1000万円以上の特定層が多いそうです。
このような高収入層はリスクを理解しつつも得られるメリットが大きいと判断し、参加するということでしょうか。
ちなみにインスタグラム(Instagram)は女性層、ツイッター(Twitter)は年齢と年収層にバラツキがなく、スポティファイ(Spotify)は13~17歳の学生層となっています。
まとめ
日本でのサービス開始からまだ日が経っていないクラブハウス。問題点もまだあるものの、これまでのSNSにはない魅力もあることがわかります。そして招待制であることや「リアルタイムの話しか聴けない」という希少性が、今後も多くのユーザーを集めることになりそうです。